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音楽
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J.LaMotta すずめ

2019.08.17

音楽について書く時、必ずジャンルを記すことでその音楽のことを分かりやすく伝えようとするものですが、最近の、特に若い世代のミュージシャンたちはいくつものジャンルを吸収しているのが普通になってきているのでなかなか悩ましいことがあります。

J. LaMotta すずめ(この変わった芸名について後ほど)はイスラエルのテル・アヴィヴで、モロッコ系の家族に生まれ、現在はベルリンを拠点に音楽活動をしています。彼女は簡単にいえばネオ・ソウルの部類に入りますが、ヒップホップやジャズの影響もあり、これまでにアルバムを2枚出しています。1作目はサンプリングを多用したヒップホップ寄りのサウンドで、少しだけ中東が出身だと分かるような味付けのあるものでしたが、2作目の「Suzume」は逆にすべて生演奏によるとても有機的な音楽で、本人の温かみのあるソフトな歌が魅力的です。去年のブルーノート東京でのライヴは、多国籍な3人のバック・バンドも含めて予想を上回るとてもいい出来でした。早速今年、ぼくがキュレイター役を務めるフェスティヴァル、Live Magicに誘いました。

 


J.Lamotta - "Suzume" (Full Album Stream | 2019)

なぜ「すずめ」なのか、というと、テル・アヴィヴに里帰りしたある時、留守にしていた友人のアパートを借りることになっていましたが、その部屋に入ると小鳥が中で飛び回っていました。雀でした。外に逃がさなくちゃ、と思って窓を開けたらその特殊な窓が丸ごと外に落ちてしまい、粉々になりました。急きょ窓を修理するのがそうとう大変でしたが、何とか部屋を元通りに戻した彼女はベルリンに戻って、彼女のレコードのデザインを担当することになっていた日本人のデザイナーにその一部始終を伝えたのです。すると彼は雀を曲名にすること、更に彼女の芸名にすることを提案したそうです。そのデザイナーは日本で色々な書き方があることを説明し、「雀」、「すずめ」、「スズメ」と書いたものをJ. LaMottaに見せると、彼女はひらがなの感じが好きで、それを使うことを決めたとのことです。ここで省略して書いたその話を詳しく知りたければぜひ「Suzume」のライナー・ノーツの日本語訳を読んでください。

去年のブルーノートと同じ編成で今年のLive Magicに登場するJ.LaMotta すずめをぜひ聞いていただきたいです。ソウルのある自然体の素敵な歌を歌う若い女性をやはり若い女性に紹介したいものです。

フェスの詳細はlivemagic.jp でご確認ください。

 

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