STYLIST’S VIEW
言い出したら聞かない性格。学生のころから、頑固な性格は変わっていないと思います。進路を決めるときもそうでした。母が看護師だったので、高校生のころまでは自分も看護師になるんだろうなと漠然と思っていました。でもいざ進路を決めるときになったら看護師として働くイメージがわかなくて……。美容室に行くのが好きだったので、路線変更。美容師になると決めました。母は“看護師のほうがいいんじゃない?”と最初は言っていましたが、私の性格も知っているので、応援してくれました。
人の役に立つ仕事がしたい
母譲りの心意気を
美容師人生に込めて
母譲りの心意気を
美容師人生に込めて
当時は美容師よりもヘア&メイクに興味があったので、専門学校に通いながらヘア&メイクスクールにも行っていました。そんな私がmerciに入りたいと思ったのは、“かっこいい!”と思ったから。小谷(準さん・merci代表)がコンテストで受賞した作品と、杉川(友洋さん・SILEM代表)が大きなコンテストの決勝の舞台に立った姿に、心惹かれました。でも、いざ面接のときに言い放ったのは、“ヘア&メイクになりたいので、3年たったらサロンをやめようと思っています”という強気の言葉。だいぶ生意気ですよね。入社しても1年目は生意気なまま。2年目くらいからやっと美容師の仕事の楽しさに目覚めました。お客さまとおしゃべりするのが楽しくて楽しくて。ちょうどそのころ先輩がサロンをやめてしまって、生え抜きスタッフのなかで最初のスタイリストになれるチャンスが私に巡ってきたんです!アシスタント時代は、それを目標に頑張ることができました。早くデビューしたくてレッスン用のモデルさんをたくさんサロンに呼んでいたんですが、来るのを楽しみにしてくれる子が多くて、それも励みになりました。
おしゃべりするのも好きだけど、いちばん好きなのはカット。あと、今でもシャンプーがめっちゃ好きです。扱いやすい髪になってほしいからこういうカットをしようとか、ここ凝ってるやろなと思ってシャンプーをするとか、相手のことを思ってやることにやりがいを感じています。それは、母の影響かもしれません。小学校のときに“なんで看護師になりたいと思ったの?”と聞いたら、“人の役に立つ仕事をしたかったから”と返事が。それで、私も子どものときからそういう仕事をしたい、と自然と思うようになりました。たまに病院に行ったりすると、ナース服姿で出てくる母がかっこよくて……。働いている母に憧れていたんでしょうね。
今年でデビューしてから5年目。今は、やりたいことができているので毎日がとても充実しています。神戸の古着屋さんの撮影でヘア&メイクをまかせてもらうなど、なんだかんだ機会があって、サロンワークとヘア&メイクの仕事を並行して楽しくできています。ヘア&メイクに偏りすぎて、サロンワークが疎かになってお客さまと会えなくなってしまうのはイヤなので、今のバランスが自分にとってちょうどいいですね。
今回のモデルさんは、小学校からの幼なじみ。大阪からわざわざ来てくれました。めっちゃ仲よくなったのは中学校時代で、私はバレー部、彼女はバスケ部でお互いキャプテンとしてバリバリやっていて、お互いよく話をしていました。今回は、久しぶりの来店。半年くらい前に出産したばかりで、髪はのびたまま。全然お手入れができていないことと、産後の抜け毛が気になっていたようです。学校の先生をしているのでふだんは髪色に制限があるのですが、育休中のこのタイミングでブリーチに挑戦してみよう、ということに。楽しめるときに楽しんでおきたい、という彼女の願いを叶えました。
去年の11月、SILEMができたときに店長になりました。妹として育った私はめっちゃ末っ子気質なんですが、下の子もだいぶ増えてきたので、お姉ちゃんもいなきゃいけない、と奮起しています。油断すると、すぐみんなと一緒に遊びたくなっちゃうので(笑)。今は女性スタイリストが私しかいないので、女性にしか気づけない女の子の変化に気を配るようにしています。
マンガやドラマが好き。モーニング娘。とかジャニーズとか、アイドルも好き。杉川みたいにおしゃれな趣味が何もなくて、悩んだ時期もありました。知らないといけないのかなと思って、調べたこともあります。触れてみるといいなとは思うけど、極めている人に比べたら私なんて……と落ち込むことも。でも、今はそれも含めて私の個性なんかなと思うようになりました。そのほうがお客さまと話が合いやすいし! サロンでは私がいちばんお客さまとしゃべっていると思うので、それがちょっと自慢です。杉川や小谷など、ストイックな先輩たちとは違う角度で、わたしだからできる“ふつう ”のよさを追い求めていきたいですね。
HAIR STYLE
AFTER THE BEAUTY AWAKE
気づけば今年で30歳。「20歳の顔は自然から授かったもの、30歳の顔は自分の生きざま。だけど50歳の顔には、あなたの価値がにじみ出る」というココ・シャネルの言葉がすごく好きで、30代をすごく楽しみにしています。人生を通して何か大きいことを成し遂げたいというよりは、めっちゃ普通 なんですけど、ドキドキワクワクのある楽しい人生にしたいと思っています。いい感じで歳を重ねることが目標です!
濱﨑 綾
SILEM店長